ブランディングを行う際に商品・サービス、企業問わずロゴシンボルは必要になります。
なくても文字があればよいなどの考え方がありますが、文字は理論で理解するものです。
ロゴは直観的・感覚的にブランドを理解してもらえる最良のツールです。
ブランドストーリーやポジションからぶれない確固たるブランドを構築する上でロゴシンボルは必要になります。
今回はロゴシンボルの考え方について解説をしてまいります。
ロゴの本質
ロゴの重要性・必要性を考えるために、ロゴの歴史から考えてみましょう。
ロゴは、ギリシア語のロゴテュポスに由来しており、ロゴ=言葉 テュポス=タイプ=活字を意味します。
ロゴタイプ(言葉)とロゴマーク(図)を合わせたものをロゴマークと言います。
ロゴは、他社からの差別化や個性を出す為に作られます。
ブランドの語源も同じく、家畜に焼き印を押して区別していたところから始まります。
そこから商品そのものの価値がブランドやロゴが象徴となり、ロゴやブランドそのものが価値化されていきます。
なぜロゴを作るのか?
見分けたり、区別する為だけにロゴやブランドはあったのだと推察できます。
商品やサービスそのものの価値が大きくなるごとに、区別の為だったマークや名称が価値の目印となります。
ここで人の脳の働きとロゴの関係を紐解いていきます。
人は五感の内、視覚から多くの情報を得ています。その情報が脳へ届き認識します。
脳の中で左脳が思考や論理を司りゆっくり少しずつ処理を行い、右脳は知覚や感性を司り高速で大量に自動処理を行います。
もしもロゴを作らず文字のみの場合、見た人は左脳を主に使いゆっくり少しずつ処理を行います。
ロゴがある事で右脳も働き直感的、感覚的にも認知をしてくれるようになります。
文字と図で認識することで記憶の結びつけが強くなり、覚えてもらいやすくなります。

きっと昔の人も多くの家畜から瞬時に見分けをつけたりするためには図としての区別が必要と考えたのでしょう。
ブランドの第一歩
ブランドは顧客の頭の中にあります。
顧客が「○○と言えば?」と連想した際に瞬時に思い浮かぶ図形の方が有利となります。
さらに社名とロゴが結び付き、提供する商品やサービスの良さや価値が社名やロゴに結びつく。
このサイクルにより顧客の記憶に強く根付いていくことができると考えられます。
ロゴを作る際のポイント
今の時代ロゴは簡単に作成する事ができます。
今まではデザイナーや制作会社へ依頼していましたが、アイデアや工夫次第で自身で作れる方法も多くあります。
簡単に作れるからこそロゴにこだわり、他とは違ったメッセージ性やブランド性を含ませたロゴにする事をおすすめします。
コンセプトをカタチにしよう
会社の経営理念やミッション・ビジョン・バリューなどをロゴへ落とし込むのもこだわりを見せる方法の一つです。
自社の想い、コンセプトを顧客が知ることでどう感じるのか、どう想うのかまでを想定して考える必要があります。
参考記事「売上アップと社会貢献のための魅せる経営理念とは」
想いを色にのせよう
ロゴを作る際には、色も重要なツールです。
それぞれの色に対してイメージというものがあります。
配色のバランスも大切ですが、どんな想いがあるのかを感覚的に伝える必要もあります。
色のイメージ例
- 赤が持つイメージ
情熱、喜び、生命、アクティブ、祝い、怒り、危険、暴力、恐怖、セール、太陽、炎 - 橙が持つイメージ
陽気、元気、明るさ、暖かさ、親しみ、派手、傲慢、わがまま、かぼちゃ、火、紅葉、夕日 - 黄が持つイメージ
陽気、躍動、明るさ、幸福、楽しさ、幼稚、未熟、雷、バナナ、月、カレー - ピンクが持つイメージ
優しさ、女性的、甘い、恋、愛、いやらしさ、弱い、媚び、桜、桃 - 紫が持つイメージ
高貴、高級、優美、美意識、下品、不健康、慢心、嫉妬、悪、ブドウ、茄子、醤油、宝石 - 青が持つイメージ
海、空、夏、信頼、誠実、安心、清潔、潔さ、冷血、切なさ、夜、寂しさ、地球、宇宙、デニム、魚 - 緑が持つイメージ
自然、健康、森、木、安らぎ、平和、若い、田舎、苦さ、公園 - 茶が持つイメージ
落着き、ぬくもり、堅実、老い、頑固、木、土、コーヒー、チョコレート - 黒の持つイメージ
高級感、上品、スタイリッシュ、男性的、闇、夜、恐怖、抑圧、カメラ、タイヤ、ピアノ - 白の持つイメージ
清潔、高級感、純白、純粋、シンプル、理想、信頼、虚無、孤独、冷たさ、雪、雲、砂糖、病院、紙
デザインスタジオDiantの場合、イメージカラーは「ネイビー」です。
これは堅実や誠実、冷静などをイメージしており、ロゴ中央にある赤は情熱をイメージしています。
参考ページ「DIANTについて」
ブランドストーリーをアクセントに
ブランドストーリーをロゴに落とし込んでみても良いでしょう。
ブランドストーリーに描かれていたものがロゴマークにも反映されていることで一貫性が感じられ、より強調したメッセージとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ロゴの必要性を感じて頂けたかと思います。
ロゴの考え方、作成時のポイントのまとめは以下となります。
- ロゴやブランドは元々は他と区別する為のツールであった
- ロゴやブランドは、価値が乗り移りシンボルとなる
- 人は視覚から多くの情報を取り入れている
- 左脳は論理と分析、右脳は知覚と感性を司る
- ロゴを使うことで右脳からも記憶してもらえる
- コンセプトや経営理念はロゴにも落とし込もう
- 想いを色にのせてメッセージ性を強くさせよう。
- ブランドストーリーを組み合わせた一貫性のあるロゴにしよう