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社長室の壁、あるいはエントランスの一等地に飾られた「経営理念」。 ふと見上げたとき、そこには創業時の熱い想いや、社会に対する崇高な約束が記されているはずです。
しかし、同時にこのような「もどかしさ」を感じることはないでしょうか。
「立派な言葉はある。けれど、それが社員の日々の行動や判断基準にまで落ちていない」 「採用面接で自社の想いを熱く語っても、応募者にその魅力が伝わりきっていない気がする」 「事業は安定しているが、次のステージへ向かうための『組織の一体感』が足りない」
もしそう感じられているとしたら、それは決して貴社の理念そのものが間違っているわけではありません。また、社員の方々の意識が低いわけでもありません。
ただ、理念が「言葉」という状態のまま、額縁の中に閉じ込められてしまっているだけなのかもしれません。
私たち株式会社DIANTは、多くの企業様のブランディングに伴走する中で、ある一つの確信を得ました。それは、理念は「飾る」ものではなく、組織の先頭に「掲げる」べき『旗』であるということです。
今回は、言葉だけの理念を、組織を動かし人を惹きつける生きた「価値の旗(バリューフラッグ)」へと変えるための、私たち独自の考え方とプロセスをご紹介します。
なぜ、素晴らしい理念が「形骸化」してしまうのか?
「うちは技術力もあるし、お客様には誠実に対応している。理念だってしっかりしている」
そう自負される経営者様ほど、組織の拡大期において「理念の浸透(インナーブランディング)」や「採用のミスマッチ」という壁にぶつかる傾向があります。
なぜ、素晴らしい理念が現場で機能せず、形骸化してしまうのでしょうか?
その最大の要因は、企業の「魂」である理念(MI:マインド・アイデンティティ)と、外から見える「顔立ち」(VI:ヴィジュアル・アイデンティティ)や、実際の「行動」(BI:ビヘイビア・アイデンティティ)が、それぞれバラバラに存在してしまっていることにあります 。
例えば、理念では「革新と挑戦」を謳っているのに、会社のロゴやWebサイトのデザインが20年前から変わらず古風なままだったとしたらどうでしょう? あるいは、「顧客第一」を掲げているのに、社員の行動指針が曖昧で、対応の質が人によってバラバラだったとしたら?
受け手(社員や顧客)は、言葉(理念)よりも、目に見える情報(デザイン)や実際の体験(行動)を信じます。ここに矛盾が生じると、どれほど崇高な理念も「ただのお題目」として処理されてしまうのです。
私たちDIANTは、単に見栄えの良いデザインを作ることだけをゴールにはしていません。 「問題が起こってから解決するデザイン」だけでなく、「そもそも問題が起こらないように、未然に防ぐためのデザイン」を提供することを使命としています 。
そのためには、理念という「点」を、デザインや行動という「線」で繋ぎ、強固な「面」にする必要があります。
組織を動かす新しい視点:「5つの糸」で旗を織り上げる
では、具体的にどのようにして、バラバラな要素を一つにまとめ上げればよいのでしょうか。
DIANTでは、企業ブランドを構築する要素を「5つの糸」に例え、それらを丁寧に紡ぎ合わせることで、組織の象徴となる「価値の旗(バリューフラッグ)」を打ち立てるという独自のアプローチをとっています 。
私たち自身のブランディングサービス「Tsumugi」の根幹でもある、この5つの糸についてご説明します。
1. 想いの糸 (MI:マインド・アイデンティティ)
これは、企業の「魂」そのものです。ミッション(存在意義)、ビジョン(目指す未来)、バリュー(価値観)を言語化したもので、全ての活動の揺るぎない軸となります 。 まずはここを、誰にとっても「わかりやすく」整理し直すところから全ては始まります。
2. 顔立ちの糸 (VI:ヴィジュアル・アイデンティティ)
3. 行動の糸 (BI:ビヘイビア・アイデンティティ)
理念を絵に描いた餅にしないための、具体的な行動指針(クレド)です 。 「お客様に誠実であれ」という言葉を、現場レベルで「どのような挨拶をするか」「トラブル時にどう動くか」という具体的なルールに落とし込みます。
4. 届け方の糸 (DI:デリバリー・アイデンティティ)
その価値を、誰に、どう伝えるかというコミュニケーション戦略です 。 ターゲット顧客(ペルソナ)を明確にし、その心に響く言葉と適切な場所(Web、SNS、パンフレット等)を選定します。
5. 紡ぎ方の糸 (RI:リレーションシップ・アイデンティティ)
「価値の旗」を掲げると、経営はどう変わるか?
理念を整理し、デザインを整え、行動指針を作る。 この一連のプロセスは、決して楽なものではありません。時間も労力もかかります。
しかし、確かな「価値の旗」を掲げることは、経営において具体的な「ソリューション(課題解決)」をもたらします。
① 採用力の劇的な向上
「価値の旗」が明確であれば、それに共感する人材が集まります。 「給与や条件」だけでなく、「この会社の考え方が好きだ」「このチームの一員になりたい」という動機で集まった人材は、定着率が高く、自律的に成長します。自社の「見せ方」を変えることは、未来の仲間への招待状を変えることと同義です。
② 組織の活性化とスピードアップ
向かうべき方向(ビジョン)と、日々の判断基準(行動指針)が明確になることで、現場の迷いがなくなります。 社員一人ひとりが「自分たちは何のために働いているのか」を理解し、自信を持って行動できるようになるため、組織全体のスピードと質が向上します。
③ 価格競争からの脱却
私たちは、お客様自身も気づいていないかもしれない「隠れた価値」に光を当てる「LIGHT THE VALUE」という考え方を大切にしています 。 貴社の中には、すでに素晴らしい原石があるはずです。それを磨き上げ、正しく伝えることで、ビジネスの可能性は大きく広がります。
私たち自身の「行動の糸(BI)」
これは私たちDIANT自身が日々実践し、悩みながら磨き続けていることでもあります。
私たちは「気持ちも声も上がる人」というバリューを掲げています 。 これは単なるスローガンではありません。ここから派生した「6つの強み」という具体的な行動規範(クレド)を持っています 。
その一つに、『二人三脚(末永いお付き合い)』という指針があります 。 「企画や制作だけで関係が終わるのではなく、その後の施工・運用まで一貫して関わらせていただき、お客様と末永いお付き合いをしていきたい」という私たちの意志を、日々の行動ルールとして定めているのです。
また、『三方良し(全ての人にメリットを出すために)』という指針もあります 。 お客様だけでなく、その先のエンドユーザー様、協力会社様、関わる全ての人にとって良い結果を追求する。
こうした「行動の糸(BI)」が、ロゴデザイン(VI)や、今読んでいただいているこの文章(DI)と一貫しているからこそ、お客様に「DIANTらしいね」「信頼できるね」と言っていただけるのだと信じています。
理念と行動、そしてデザイン。これらが一致した時の強さを、私たちは身をもって知っています。
貴社だけの「価値の旗」を、共に紡ぎませんか?
理念を「額縁」から出し、生きた「旗」にするプロセスは、一朝一夕でできることではありません。 自社の強みを客観的に見つめ直し、言葉にし、形にし、浸透させる作業には、根気と、そして専門的な視点が必要です。
DIANTは、単にデザインや制作物を提供するだけの会社ではありません。 お客様が抱える本質的な課題を見抜き、その解決に繋がる「ソリューションデザイン」を追求する会社です 。
私たちは、お客様のビジネスが持つ真の価値と可能性を信じています 。 だからこそ、一方的に提案して終わりではなく、お客様の隣で共に悩み、共に考え、共に汗をかく「伴走者」として、貴社の「5つの糸」を紡ぐお手伝いをさせていただきたいのです。
「理念はあるが、うまく機能していない気がする」 「自社の良さを、もっと分かりやすく伝えたい」
もし、そのようなお悩みをお持ちでしたら、まずは私たちにお話をお聞かせいただけませんか?
どんなに複雑な課題であっても、私たちはその本質を捉え、誰にとっても「わかりやすい」情報と戦略に整理し、最適な解決策をご提案することをお約束いたします 。
貴社の歴史と未来を繋ぐ、世界に一つだけの「価値の旗」を、私たちと一緒に立てましょう。

