Skip to content

デザイン投資はコストか、未来への布石か?

この記事の目次


「売上を伸ばしたいが、広告宣伝費はなるべく抑えたい…」
「良い人材を採用したいが、なかなか応募が集まらない…」
「会社の顔となるウェブサイトやパンフレット、そろそろ新しくしたいが…」

中小企業の経営者の皆様から、このようなお悩みをお伺いすることがよくあります。
日々の経営判断の中で、限られた資源をどこに投下すべきか、その優先順位付けは常に難しい問題です。
そして、こうした状況で真っ先に「コスト削減」の対象として検討されがちなのが、「デザイン」に関する費用ではないでしょうか。
「デザインの重要性は分かるが、費用対効果が見えにくく、後回しになりがち…」
もし、皆様が少しでもこのように感じていらっしゃるなら、それは非常にもったいないことかもしれません。
なぜなら、これからの時代において、デザインは単なる「コスト(経費)」ではなく、企業の未来を創るための「戦略的投資」に他ならないからです。

本記事では、なぜデザインが未来への投資と言えるのか。そして、その効果を経営判断の指標である「ROI(投資対効果)」の観点からどのように考えればよいのかを、分かりやすく解説していきます。

なぜデザインは「コスト」だと思われがちなのか?

本題に入る前に、なぜ多くの経営者がデザインを「コスト」や「経費」として捉えてしまうのか、その理由を整理してみましょう。

効果が数字で測りにくいという思い込み

直接的な売上にすぐ結びつくイメージが湧かない

他にも優先すべき設備投資や人件費がある

これらは、経営者として至極当然の感覚だと思います。
すぐに利益を生まないもの、効果が不明瞭なものへの支出は、できる限り避けたいと考えるのは当然です。
しかし、この見方は、デザインの価値を短期的な視点のみで捉えてしまっている可能性があります。ここで一度、視点を切り替えてみませんか? 日々の運転資金である「経費」ではなく、企業の成長や資産形成を目指す「投資」の視点からデザインを捉え直すのです。

そのためのキーワードが「ROI(Return On Investment:投資対効果)」です。 ROIとは、投資した資本に対してどれだけの利益を生み出せたかを示す指標であり、経営者の皆様にとっては馴染み深い言葉でしょう。デザインへの支出を、このROIの観点から見つめ直すことで、その本当の価値が見えてきます。

デザイン投資が生み出す2つの重要なリターン

では、具体的にデザインへの投資は、企業にどのようなリターン(利益)をもたらすのでしょうか。ここでは、経営の根幹をなす「売上」と「採用」という2つの軸から、その力をご紹介します。

売上を向上させる力

信頼性の向上 → “選ばれる企業”へ

お客様があなたの会社を初めて知るきっかけが、WEBサイトだったとします。そこに表示されたのが、情報が古く、スマートフォン表示にも対応していないサイトだったら、お客様はどう感じるでしょうか。「この会社、大丈夫かな?」と不安に思い、そっとページを閉じてしまうかもしれません。

逆に、モダンで洗練され、情報が整理されたWEBサイトは、お客様に「しっかりした会社だ」という安心感と信頼を与えます。特にBtoBの取引においては、この第一印象の「信頼性」が、問い合わせや取引開始の重要な決め手となります。信頼感の醸成は、無用な価格競争からの脱却や、高付加価値サービスの成約率アップに直接繋がるのです。

ブランド価値の向上 → “指名買い”を増やす

一貫性のある優れたデザインは、企業の理念や想い、サービスの独自性といった“目に見えない価値”を顧客の心に届けます。ロゴ、ウェブサイト、名刺、パンフレット。これら全てが統一されたトーンで語りかけるとき、顧客の中には「〇〇(サービス名)なら、あの会社だ」という強いブランドイメージが浸透していきます。

この状態を築くことができれば、常に新規顧客を探し続ける自転車操業から脱却し、リピートや紹介による安定的な受注基盤を確立できます。これは、企業の持続的な成長を支える、何物にも代えがたい資産となります。

伝達力の向上 → 商談をスムーズに

「この製品の良さを、口頭ではうまく伝えきれない…」と感じたことはありませんか? 分かりやすく、魅力的にデザインされたパンフレットや営業資料は、営業担当者の強力な武器となります。製品やサービスの価値が一瞬で伝わり、顧客の理解を促進することで、商談の時間を短縮し、成約率を高める効果が期待できます。デザインは、言葉を超えて価値を伝える“静かなるセールスマン”なのです。

採用を成功に導く力

企業の魅力度アップ → 応募者数の増加

現代の求職者、特に若い世代は、給与や待遇といった条件面だけでなく、その企業が持つビジョンや社風、働きがいを重視する傾向にあります。彼らは、企業のWEBサイトやSNS、採用パンフレットを入念にチェックし、「この会社で働く自分」をイメージしようとします。

デザインは、こうした目に見えない企業の魅力を可視化し、求職者に伝えるための強力なツールです。企業の理念が伝わる採用サイトや、社員が生き生きと働く姿が垣間見える会社案内は、優秀な人材の目に留まる確率を格段に高め、応募の動機を形成します。

ミスマッチの防止 → 定着率の向上

「誰でもいいから来てほしい」という採用活動は、入社後のミスマッチを生み、早期離職に繋がるリスクを孕んでいます。これは、採用コストが無駄になるだけでなく、既存社員の士気にも影響を与えかねません。

企業の理念や文化、求める人物像をデザインで正しく、そして魅力的に表現することで、それに共感する人材が集まりやすくなります。これは、入社後の「思っていたのと違った」という不幸なミスマッチを防ぎ、社員の定着率向上に大きく貢献します。理念に共感して入社した社員は、企業への貢献意欲も高く、組織全体のパフォーマンス向上という大きなリターンをもたらしてくれるでしょう。

【実践編】デザイン投資のROI、どう考える?

「リターンがあることは分かった。でも、結局それをどう数字で考えればいいのか?」 その疑問にお答えします。ここでは、難しい計算式ではなく、経営者の皆様が直感的に理解できるROIの考え方をご紹介します。 ROIの基本的な考え方は非常にシンプルです。
この「投資によって得られた利益」をどう捉えるか、具体的なシミュレーションで見てみましょう。

ウェブサイトリニューアルによる売上向上

  • 投資額:ウェブサイト制作に100万円を投資
  • リターン:
    リニューアル後、月間の問い合わせが5件増加。
    そのうち20%が成約に繋がり(月1件)、1件あたりの平均利益は50万円。
    これにより、月間の利益が50万円増加。
  • 年間の利益増:50万円×12ヶ月= 600万円
  • ROIの計算:
    年間の純利益は600万円(利益増)-100万円(投資額)=500万円
    ROIは (500万円÷100万円)×100= 500%

この場合、100万円の投資が、初年度で5倍のリターンを生んだことになります。

採用サイト制作による採用コスト削減

  • 投資額: 採用サイト制作に50万円を投資
  • リターン: 従来、1人採用するのに100万円の求人広告費がかかっていた。 採用サイト経由の応募が増え、1人あたりの採用コストが50万円に削減できた(50万円のコスト削減効果)。
  • ROIの計算: サイト経由で2人を採用した時点で、50万円×2人=100万円 のコスト削減効果が生まれます。 これは投資額50万円を大幅に上回っており、それ以降の採用は全て純粋な利益(コスト削減)となります。

これらはあくまで簡易的なシミュレーションですが、デザイン投資が具体的な数字としてリターンを生む可能性を秘めていることをお分かりいただけたのではないでしょうか。そして、忘れてはならないのは、デザインが生み出す「信頼」や「ブランド価値」といった無形資産は、こうした短期的な数字以上に、長期にわたって企業を支え続けるということです。

企業の価値を紡ぎだす、DIANTのブランディングデザイン「TSUMUGI」

ここまで、デザインが「売上」と「採用」に貢献する戦略的投資であることを解説してきました。しかし、その効果を最大化するためには、単発のデザイン制作ではなく、事業戦略に基づいた一貫性のある取り組みが不可欠です。

「自社の強みや魅力が、顧客や求職者にうまく伝わらない…」
「競合他社との差別化ができず、価格競争に陥りがちだ…」
「社内で会社の向かうべき方向性の認識がバラバラになっている…」

もし、こうした課題を感じているなら、それは企業の「らしさ」が明確になっていない、あるいは正しく伝わっていない証拠かもしれません。その課題を解決し、皆様のビジネスを次のステージへと導くのが、私たちのブランディングサービス「TSUMUGI」です。

5本の糸で、固有の価値(らしさ)を紡ぎだす

「TSUMUGI」は、単にデザインを制作するサービスではありません。
企業の根幹にある価値を、独自のフレームワークである「5本の糸」で解き明かし、一貫したブランドとして織り上げていく伴走型のブランディングデザインサービスです。

私たちが紡ぐ「5本の糸」とは、貴社の価値を構成する以下の要素です。

想いの糸 / MI-Mind Identity

企業の核となる理念やビジョン。

顔立ちの糸 / VI-Visual Identity

ロゴやWebサイトなど、想いを可視化する企業の「顔」。

行動の糸 / BI-Behavior Identity

理念に基づいた社員の行動指針や組織文化。

届け方の糸 / DI-Deliver Identity

価値を効果的に伝える、顧客とのコミュニケーション設計。

紡ぎ方の糸 / RI-Relation Identity

顧客や社会と長期的な信頼を築く関係性の構築。

この5つの視点から、私たちは企業の「CI=価値の旗(バリューフラッグ)」を共に織り上げていきます。

この5本の糸でブランドを紡ぎだすことで、投資対効果(ROI)として計測できる、具体的なリターンが生まれます。

【採用力・定着力の向上】
企業の理念(MI)や行動指針(BI)が明確になることで、価値観に共感する人材が集まり、ミスマッチが減少。組織へのエンゲージメントが高まります。

営業力・販促力の向上】
企業の「らしさ」が一貫したデザイン(VI)とメッセージ(DI)で伝わるようになり、顧客からの信頼を獲得。価格競争から脱却し、選ばれる企業へと成長させます。

【組織の一体感の醸成】
全社員が「自分たちの会社の価値」を共通認識として持つことで、コミュニケーションが円滑になり、組織全体が同じ目標に向かって進む一体感が生まれます。

未来への布石として、デザイン投資を始めませんか?

本記事では、デザインが単なるコストではなく、「売上向上」と「採用強化」という形で具体的なリターンを生み出す、企業の未来に向けた戦略的投資であることを解説してきました。

変化の激しい時代において、お客様や求職者から「選ばれ続ける企業」であるためには、自社の価値を正しく、そして魅力的に伝え続ける必要があります。デザインは、そのための最も力強いコミュニケーションツールです。
今、販促費の抑制やコスト削減を検討されているのであれば、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。そのコストは、本当に「削るべきコスト」でしょうか。それとも、未来の大きなリターンに繋がる「未来への布石」ではないでしょうか。
貴社の想いを紡ぎ、未来へ繋がるブランド価値を創造する。 そのお手伝いができることを、私たちは心から願っています。

「自社のビジネスにおけるデザインのROIを、一度具体的に考えてみたい」
「まずは、抱えている課題について話を聞いてほしい」

そう感じていただけましたら、ぜひお気軽に株式会社DIANTまでお問い合わせください。私たちが、貴社のビジネスに誠実に向き合い、最適な解決策をご提案します。

ブランディングデザインにご興味がございましたら、ぜひ以下のリンクもご確認ください。

BRANDING

5本の糸で、価値を紡ぐブランディング伴走支援

ブランディング伴走支援の詳細はこちらから

電話での受付はこちら

Tel.0280-33-3634

〈 対応時間 10:00 ~ 19:00 〉

TOPICS

よく読まれている記事