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「ブランディング」という言葉、最近ニュースやビジネス誌でよく耳にしませんか? なんとなく大切そうなことは分かるけれど、「具体的に何をすることなのか?」と聞かれると、答えるのは意外と難しいものです。
「ロゴを新しくすること?」「高級なイメージを作ること?」 そう思われる方も多いかもしれません。
この記事では、あやふやになりがちなブランディングの意味や、なぜ今、多くの中小企業がこの取り組みを始めているのか。その基本を、専門用語を使わずに分かりやすく解説します。
難しい経営理論ではありません。明日からの経営に役立つ「考え方のヒント」として、リラックスしてお読みください。
ブランディングとは?(「信頼の蓄積」と「イメージの定着」)
まず、ブランディングを一言で表現すると、「企業が『こう思われたい』と望む姿と、顧客が抱く『こういう会社だ』というイメージを一致させ、定着させていく活動」のことです。
少し具体的にお話ししましょう。
例えば、ある会社が「お客様に安心・安全を届ける誠実な会社でありたい」と望んでいたとします。
そして、お客様もその会社に対して「あそこの会社なら、任せて安心だよね」というイメージを持っている。 この「想い」と「評価」が一致している状態こそが、ブランディングが成功している状態です。
最も避けたい「イメージのズレ」とは
よくある「ズレ」の例
- 企業側の想い
「私たちは、最新のクラウド技術を駆使する、先進的なプロフェッショナル集団だと思われたい」 - 顧客側の評価
(Webサイトが古かったり、電話対応がアナログだったりするため…) 「あそこは、昔ながらの街の修理屋さんだよね」
いかがでしょうか。企業は「先進的」でありたいのに、顧客からは「古風」だと思われている。 この「ズレ」を放置したまま経営を続けることが、実は一番の機会損失になってしまいます。
このズレを解消し、「私たちはこういう会社です」という約束を守り続けることで、正しい信頼を積み重ねていく。それがブランディングの正体です。
なぜ今、中小企業にブランディングが必要なのか?
かつては「良いものを作れば売れる」時代でした。しかし、商品やサービスが溢れている現代では、「良いものはあって当たり前。その中から選ばれる理由がないと埋もれてしまう」時代に変化しています。
こうした背景の中、ブランディングに取り組むことで得られる経営上のメリットは大きく2つあります。
適正価格で選ばれる(利益の確保)
もし、顧客からの信頼(ブランド)がないと、判断基準はどうしても「価格」だけになりがちです。
「A社とB社、中身が同じなら安い方で」となってしまうのです。
しかし、「あなたの会社の考え方が好きだ」「あの会社なら間違いない」というファンができれば、価格競争に巻き込まれにくくなります。
結果として、適正な価格で受注できるようになり、経営の利益体質が強化されます。
共感する人が集まる(採用・定着)
ブランディングの効果は、売上だけではありません。「採用」にも大きな力を発揮します。
給与や条件だけで会社を選ぶ人は、より良い条件があれば他へ移ってしまいます。しかし、会社の「らしさ」や「姿勢」が明確になっていると、その考え方に「共感」した人が集まります。 「この会社で働きたい」という想いを持って入社してくれるため、ミスマッチが減り、社員の定着率向上にもつながります。
「ブランディング=大企業のもの」という誤解
「そうは言っても、ウチにはテレビCMを打つような予算はないよ」 そう思われる経営者様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これは大きな誤解です。派手な広告を打つことだけがブランディングではありません。
むしろ、中小企業こそブランディングに向いていると言えます。 大企業では、トップの想いが末端の社員まで届くのに時間がかかりますが、中小企業であれば、社長の想いをダイレクトに現場へ伝え、一貫したサービスとして提供しやすいからです。
街のパン屋さんでも、「あそこの店主は素材にこだわっている」「いつも笑顔で迎えてくれる」という評判が定着していれば、それは立派なブランドです。規模の大小は関係ないのです。
ブランディングの第一歩(まずは「理念」を掲げる)
では、これからブランディングを始めるにあたって、何から手をつければよいのでしょうか。 ロゴを新しくすることでしょうか? Webサイトをリニューアルすることでしょうか?
いいえ、違います。 最も重要で、最初に取り組むべきことは、「理念(私たちは何のために存在するのか)」を掲げることです。
「理念」は経営のコンパス
デザインや見せ方を整えるのは、あくまで手段です。その中心にある「想い」が定まっていなければ、どんなに綺麗なWebサイトを作っても「中身のない箱」になってしまいます。
「私たちは誰に、どんな価値を届けたいのか」 「私たちは何を大切にして仕事をするのか」
この「理念」というコンパスがないと、経営判断も、社員の行動も、そしてデザインも、すべてがバラバラになってしまいます。
逆に、ここさえ固まっていれば、迷ったときに立ち返る場所ができ、会社全体に一貫性が生まれます。
綺麗な言葉で飾る必要はありません。 まずは社長ご自身の言葉で、会社の「芯」となる想いを紙に書き出し、言葉にすることから始めてみてください。それが、強いブランドを作るための本当のスタートラインです。
ブランディングは、長く愛される会社を作る土台
ブランディングは、業績を翌日に倍にするような「特効薬」ではありません。 しかし、じっくりと会社の基礎体力を高め、不況や競争にも負けない強い体質を作る「漢方薬」のようなものです。
「自社はどう見られたいのか(あるべき姿)」
「そのために、何を大切にするのか(理念)」
まずはこの2つをじっくりと考えてみることから始めてみませんか? その思考の積み重ねが、お客様からも社員からも、長く愛され続ける会社への第一歩となるはずです。
ブランディングデザインにご興味がございましたら、ぜひ以下のリンクもご確認ください。
