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社長、あなたの畑は、毎年ちゃんと“美味しいトマト”が育っていますか?
経営者であるあなたは、いわば「最高のトマト作りを目指す、実直な農家」です。 毎年、春には希望と共に種を蒔き、夏の太陽の下で汗を流し、秋にはお客様に「ここのトマトが、一番美味しい!」と心から喜んでもらえる、真っ赤に熟した果実を届けたい。心の底から、そう願っているはずです。
しかし、その畑の経営において、こんな悩みはありませんか?
「去年はあんなに甘いトマトができたのに、今年はなぜか、味が安定しない…」
「愛情込めて育てているのに、その価値が伝わらず、スーパーの安売りトマトと同じように見られてしまう…」
「年に一度の収穫祭を開いても、昔からの常連さん以外、新しいお客様が全く集まらない…」
最高の農家は、決して偶然に頼りません。彼らは、全ての生命力の源泉である「土づくり」、お客様との出会いを創出する「収穫祭」、そして、その価値を感動に変える「直売所」の、切っても切れない連携を、何よりも大切にしています。
【DIANT式 経営の「おきかえ」辞典】
第四回。 今回は、ビジネスの根幹をなす3つの言葉を「美味しいトマト作り」に置き換えて、あなたの事業という名の畑を、未来永劫、豊かにするための、オーガニックな成長の秘訣を解き明かしていきます。
【おきかえ辞典】
ブランディング
DIANT式の「おきかえ」
全ての生命力の源泉となる“豊かな土壌づくり”
マーケティング
DIANT式の「おきかえ」
お客様を畑に呼ぶ“収穫祭”と“直売所ののぼり”
セールス
DIANT式の「おきかえ」
トマトの価値を伝える“対面販売”と“箱詰め”
【解説】事業の育て方を、深く理解しよう
ブランディング = 全ての生命力の源泉となる“豊かな土壌づくり”
それは、一体何か?
ブランディングとは、収穫したトマトに綺麗なシールを貼ることではありません。
それは、美味しいトマトが育つための、全ての基本であり、生命力の源泉です。
「どんなトマトを、誰に届け、その人の食卓をどう豊かにしたいのか」という、農家としての揺るぎない哲学(=ミッション・ビジョン)。
その哲学に基づき、深く、丁寧に土を耕し、良質な堆肥や有機肥料(=企業の譲れない価値観や文化)をたっぷりと与え、雨の日も、風の日も、一日も欠かすことなく、作物に愛情を込めて水やりを続ける。その、あまりにも地道で、誰にも見えないかもしれない、しかし最も重要な日々の活動こそが、ブランディングなのです。
もし、これがなかったら?
どんなに高価な苗を植えても、土壌そのものが痩せ細っていては、毎年、水っぽく、味の薄いトマトしか育ちません。目先の収穫量を増やすために、強力な化学肥料(=短期的な広告費や値引き)を大量に投下しても、それはその場しのぎにしかならず、土はさらに疲弊し、持続可能な農業は決して実現できません。
お客様は、そのトマトを一口食べれば、土壌の豊かさ(=会社の誠実さ)を瞬時に見抜きます。ブランディングとは、目先の収穫ではなく、10年後、100年後も、安定して最高の作物を実らせ続けるための、畑の“地力”そのものを育む、最も尊い仕事なのです。
マーケティング = お客様を畑に呼ぶ“収穫祭”と“直売所ののぼり”
それは、一体何か?
マーケティングとは、農家であるあなたが丹精込めて育てた、太陽の恵みをいっぱいに浴びたトマトの存在を、まだその美味しさを知らない人々に知ってもらい、「あの農園のトマト、食べてみたい!」「週末は、家族であそこに買いに行こう!」と、実際に畑まで足を運んでもらうための、あらゆる仕掛けです。
畑の前に、風に揺れる「完熟トマト、あります」の、手書きの温かいのぼりを立てること(=広告)。
子供たちの歓声が聞こえるような「トマト収穫祭」のイベントを企画し、街の掲示板にチラシを貼ること(=イベント・プロモーション)。
採れたてのトマトの瑞々しさが伝わる写真を、SNSに投稿すること(=コンテンツマーケティング)。そして、常連さんがご近所に配ってくれるおすそ分け(=口コミ)。
これら全てが、お客様をあなたの畑に呼び込むための、重要なマーケティング活動です。
もし、これがなかったら?
どんなに宝石のように美しい、甘いトマトがたわわに実っても、お客様はその存在を知りません。
最高の作物が、誰にもその価値を味わってもらえないまま、静かに畑で朽ちていくことになります。
マーケティングとは、農家の情熱の結晶と、美味しいものを求めるお客様の純粋な願いを“結びつける”ための、出会いのデザインなのです。
セールス =トマトの価値を伝える“対面販売”と“箱詰め”
それは、一体何か?
セールスとは、のぼりやチラシを見て、期待を胸に直売所まで来てくださったお客様との、直接的で、人間的なやり取りの全てです。
それは、ただトマトを袋に詰めてお金をもらうだけの行為ではありません。
「奥さん、ちょっとこれ味見してみてよ!」と、採れたてのトマトを差し出し、その甘さに驚かせること(=デモンストレーション)
「このトマトはね、普通のトマトと違って、この土地のミネラルをたっぷり吸ってるから、味が濃いんですよ」と、その価値の背景にある物語を、自分の言葉で伝えること(=価値提案)
そして、お客様が愛情を込めて選んだ一粒一粒のトマトを、傷つけないように丁寧に箱詰めし、「いつもありがとうございます!」と、感謝の言葉を添えて手渡すこと(=納品・顧客関係構築)
その一連の温かいコミュニケーションこそが、セールスです。
もし、これがなかったら?
お客様は、どのトマトが自分にとって最高のトマトなのか分からず、購入をためらってしまうかもしれません。
収穫したトマトを、具体的な売上(=農家の生活の糧、来年の種籾代)に変えることができなければ、来年もまた、この素晴らしい畑を続けることはできないのです。
セールスとは、農家の愛情をお客様の感動に変え、それを未来への投資へと繋げる、農業経営の心臓部なのです。
【結論】豊かな土壌が、全てを実らせる
もう、お分かりいただけたでしょうか。
全ての生命力の源泉である“豊かな土壌”(ブランディング)があるからこそ、トマトは力強く育ち、“収穫祭”(マーケティング)で、自信を持ってお客様を呼ぶことができます。 そして、その豊かな土壌で育った本物のトマトを、“対面販売”(セールス)で試食してもらうからこそ、お客様は感動し、その農家の熱狂的なファンになるのです。
これらは、バラバラの作業ではありません。「土づくり → 収穫 → 販売」という、一年を通じた、生命のサイクルそのものです。
豊かな土壌(10点) × 人を呼ぶ収穫祭(10点) × 心のこもった直売(10点) = 1000点
これこそが、毎年、最高のトマトを実らせ、多くのファンに愛される、持続可能な農家の姿です。
しかし、もし土壌が痩せていたら…
豊かな土壌(0点) × 人を呼ぶ収穫祭(10点) × 心のこもった直売(10点) = 0点
どんなに収穫祭で人を集め、対面販売で熱心に語っても、肝心のトマトが美味しくなければ、お客様は二度と来てくれません。全ての努力が、ゼロになってしまうのです。
さあ、農家である社長。 あなたの事業という名の畑は、未来永劫、豊作が期待できる、豊かな土壌でしょうか。 一度、土の匂いを確かめるように、ご自身の事業の根幹を、じっくりと見つめ直してみてはいかがでしょうか。
ブランディングデザインにご興味がございましたら、ぜひ以下のリンクもご確認ください。
