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経営者あるある?『うちの会社の強みって、一言で言うと何だっけ…』と悩んだ時の思考整理術

この記事の目次

社長、あなたの会社の「強み」、自信を持って一言で言えますか?

会食や異業種交流会の席で、名刺交換をした相手から、ふとこう尋ねられる。

「御社の強みは、一言で言うと何ですか?」

その瞬間、あなたの頭の中には「長年培ってきた技術力も、お客様に寄り添う丁寧なサポート体制も、社員たちの誠実な仕事ぶりも…」と、様々なアピールポイントが次々と浮かんでは消えていく。

しかし、なぜか「これだ!」という的確な一言がすぐに出てこない…。

そんな経験、ありませんか? これは、日々真摯に事業と向き合っている、多くの中小企業の経営者様が抱える、非常によくある悩みです。

しかし、ご安心ください。この悩みの原因は、決してあなたの会社に強みがないからではありません。むしろその逆です。

様々な強みや、言葉にしきれないほどの熱い想いがあるからこそ、そして社長自身が誰よりも深く日々の業務に関わっているからこそ、全体を客観的に見渡し、それをシンプルな一言に要約するのが難しくなっているのです。
この記事では、複雑なマーケティング理論や難しいフレームワークは一切使いません。

その代わり、社長の頭の中にある漠然とした想いや事実を整理し、貴社ならではの「強み」の輪郭をくっきりとあぶり出すための、シンプルで実践的な「思考整理術」をご紹介します。

なぜ「強み」は一言で言えないのか?経営者が陥る“3つの思考のワナ”

まず、なぜ言葉に詰まってしまうのか、その原因を知ることから始めましょう。多くの場合、私たちは無意識のうちに、以下のような思考のワナに陥っています。

ワナ1:強みが多すぎる(「全部盛り」のワナ)

これは、真面目で誠実な会社ほど陥りやすいワナです。

「うちの会社の良いところは、技術力も、サポート体制も、長年の実績も、社員の人柄も…」と、伝えたいことが多すぎるあまり、全てを伝えようとして、結果的にメッセージ全体がぼやけてしまう状態です。

色々なおかずが入っていて豪華だけれど、「これが一番の売り!」という特徴が分かりにくい「幕の内弁当」のようになってしまい、相手の記憶に残りません。

ワナ2:「当たり前」の呪縛(「灯台下暗し」のワナ)

長年、会社を経営し、その文化の中で仕事をしていると、自社では「当たり前」だと思っていることが、実は顧客から見れば他社にはない、非常に価値のある「強み」であることに気づいていないケースが多々あります。

例えば、「問い合わせには、必ず2時間以内に一次回答する」「納品時には、必ず担当者が直接出向いて説明する」といった丁寧な対応や、品質への徹底したこだわり。

これらは、貴社にとっては日常でも、お客様にとっては「この会社は、ここまでやってくれるのか!」という感動や信頼に繋がる、かけがえのない強みなのです。

ワナ3:機能=強みだと考えてしまう(「モノ語り」のワナ)

特に技術系の企業に多いのがこのワナです。

「私たちの製品は、〇〇という最新技術を搭載しています」
「このシステムは、△△という機能が使えます」

といったように、「何ができるか(機能)」は詳しく語れても、それがお客様にとって「どんな良いことがあるのか(価値・ベネフィット)」という、最も重要な視点が抜け落ちてしまっている状態です。

お客様は、機能そのものが欲しいのではありません。その機能によって、自分たちの課題がどう解決され、どんな理想の未来が手に入るのかを知りたいのです。製品やサービスのスペック説明に終始してしまうと、お客様の心は動きません。

思考整理術:たった3つの質問で「会社の強み」の輪郭をあぶり出す

それでは、これらのワナから抜け出し、頭の中をスッキリと整理していきましょう。

難しいフレームワークは一切不要です。紙とペンを用意して、以下の3つの質問に、じっくりと向き合ってみてください。できれば、信頼できる社員数名と一緒に考えてみるのも非常に効果的です。

質問1:お客様が、心から「ありがとう」と言ってくれるのは、どんな時ですか?

一つ目の質問は、お客様の感情に焦点を当てることです。

深掘りのヒント
単に製品を納品した時や、プロジェクトが完了した時ではありません。「〇〇さん(貴社の社員)のおかげで、本当に助かったよ」「こんなに親身になって相談に乗ってくれるとは思わなかった」「他社に断られた難しい案件を、見事に解決してくれた!」…そんな、お客様の感情が動いた具体的な瞬間を、できるだけ多く思い出してみてください。 

その言葉の裏には、お客様が貴社の何に対して、機能や価格を超えた「本当の価値」を感じてくれているのか、その核心が隠されています。それは、技術力そのものよりも、「最後まで諦めない姿勢」や「専門家としての深い知見」、「いつでも相談できる安心感」といったことかもしれません。

質問2:競合ではなく「私たち」が選ばれる理由は、突き詰めると何ですか?

二つ目の質問は、自社の独自性を客観的に見つめることです。

深掘りのヒント
お客様は、なぜ数ある競合他社ではなく、「私たち」を選んでくれたのでしょうか。

「価格が安かったから」「たまたま近くだったから」といった表面的な理由だけでなく、その奥にある本質的な理由を探ってみましょう。 多くの場合、その答えは、スペック表には現れない、貴社ならではの“あり方”や“姿勢”に眠っています。

「大手企業にはない、小回りの利く柔軟な対応」「担当者の人柄や、業界への深い理解」「どんな時でも正直に、誠実に対応してくれる安心感」など、仕事の進め方やコミュニケーションの取り方にこそ、他社には真似のできない、選ばれる本質的な理由が隠されていることが多いのです。

質問3:社員が「この会社で働いていて良かった」と感じる瞬間はどんな時ですか?

三つ目の質問は、視点を社内に向け、組織としての強みを探ることです。

深掘りのヒント
お客様からは直接見えにくい、社内の文化や風土も、実は企業の競争力を支える強力な強みです。

「困った時に、部署を超えて自然と助け合うチームワークの良さ」
「新しい技術を学ぶことを会社が奨励してくれる、成長できる環境」
「社長との距離が近く、自分の意見が経営に届く実感がある」など、

社員が自社に対して誇りや愛着を感じる瞬間はどんな時でしょうか。 ここで見つかる強みは、お客様への提供価値の源泉であると同時に、これからの採用活動において、求職者の心を惹きつける最大の武器にもなり得ます。

見つけ出した“らしさ”を、伝わる「一言」に磨き上げる

3つの質問に向き合うことで、貴社の強みの「原石」がいくつも見つかったのではないでしょうか。次のステップは、それらの原石を、誰もが理解できる、伝わる「一言」に磨き上げていく作業です。

「強み」のキーワード化

まず、3つの質問への答えの中から、共通して出てくるテーマや、最も「自社らしい」と感じるキーワードを5~10個ほど抜き出してみましょう。

(例:「安心感」「寄り添う」「誠実」「最後までやり抜く」「技術探求心」「チーム力」「地元密着」「相談しやすい」など)

「一言」にするためのシンプル構文

次に、抜き出したキーワードを使い、以下のシンプルな構文に当てはめて、自社の強みを文章にしてみます。
これは、自社の存在意義を明確にするための基本形です。
「私たちは、[ どのようなお客様に ] 対して、[ どんな強み ] で、[ どんな価値 ] を提供する会社です。」

【具体例】

先ほどのキーワードを元に、この構文に当てはめてみましょう。
(例)「私たちは、IT専門の担当者がいない地元の中小企業様に対して、(強み)大手にはない、とことん寄り添う誠実なサポート体制で、(価値)お客様が本業に安心して集中できる環境を提供する会社です。」

どうでしょうか。単に「ITソリューションを提供しています」と言うよりも、はるかに具体的で、会社の姿勢や提供価値が伝わりやすくなったのではないでしょうか。

磨き上げのコツ

この基本となる文章をベースに、さらに短く、覚えやすく、そして心に残りやすいキャッチフレーズへと磨き上げていきましょう。この段階では、正解を求めず、社員とブレインストーミングをしながら、様々な表現を試してみるのがおすすめです。

「強み」が言えれば、会社は変わる。まず最初の15分から。

自社の「強み」を明確に、そして自信を持って一言で語れるようになること。それは、単に自己紹介が上手くなる、というだけではありません。
それは、変化の激しい経営の大海原を航海するための、揺るぎない「羅針盤」を手に入れることに他ならないのです。

この羅針盤があれば、何が起こるでしょうか。

  • 営業トークは、もうブレません。伝えるべき核心が定まることで、鋭く、そして力強くなります。
  • ウェブサイトのメッセージは、誰にでも響くようになります。ターゲット顧客の心に直接届き、共感を呼びます。
  • 採用活動では、求める人材に自社の本当の魅力が伝わり、「この会社で働きたい」という想いを引き出します。
  • そして何よりも、社員が「自分たちの会社は、社会にこんな価値を提供しているんだ」と誇りを持ち、同じ方向を向いて進むことができます。

この記事を読み終えた後、ぜひ15分だけ、ご自身の時間を確保してみてください。そして、今回ご紹介した3つの質問について、まずは一人で静かに考えてみてください。

きっと、貴社がこれから大切にすべき「強み」の輪郭が、ぼんやりとでも見えてくるはずです。

そして、その見えてきた「強み」を、「どうすればもっと効果的にロゴやウェブサイト、会社案内に落とし込めるだろうか?」と感じたなら、それは本格的なブランディングへの、素晴らしく、そして重要な一歩です。

私たち株式会社DIANTは、まさにその「思考整理」の段階から、最終的なデザイン制作に至るまで、経営者様に寄り添い、伴走することを最も得意としています。貴社の「強み」を一緒に見つけ出し、それを未来を切り拓く力へと輝かせるお手伝いをさせてください。

ブランディングデザインにご興味がございましたら、ぜひ以下のリンクもご確認ください。

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