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会社の『伸び悩み』、もしかして“見え方”で損してる? 社長が知らないとマズい、『デザイン経営』がもたらす3つの突破口

この記事の目次

その「伸び悩み」、原因は“見え方”かもしれません。
社長が今こそ知るべき「デザイン経営」とは?

「技術力には誰にも負けない自信がある。お客様にも誠実に向き合い、一つひとつの仕事を丁寧に行ってきた。それなのに、なぜか最近、会社の成長が以前より鈍化している気がする…」

長年会社を経営されてきた社長様の中には、菊池さんのように、このような「伸び悩み」に直面し、その原因がどこにあるのか、日々頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。真面目に、一生懸命やってきた自負があるからこそ、出口の見えない状況はもどかしいものですよね。

もしかすると、その原因の一つは、貴社が持つ素晴らしい「価値」や「誠実さ」、そして「技術力」が、お客様や将来仲間になるかもしれない求職者、さらには今いる社員にさえも、正しく、そして魅力的に伝わっていないこと、つまり“見え方”で損をしていることにあるのかもしれません。

このような状況を打破する鍵として、近年、経済産業省・特許庁も推進し、多くの企業で注目されているのが「デザイン経営」という考え方です。

「デザインと聞くと、どうしても製品の形やウェブサイトの見た目を良くすることだけをイメージしてしまうんだけど…」と思われる社長様もいらっしゃるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。「デザイン経営」は、もっと深く、企業の根幹に関わる経営戦略そのものなのです。

本記事では、「デザイン経営」とは一体何なのかを分かりやすく解説し、それが特に私たち中小企業にどのような具体的な「3つの突破口」をもたらすのか、そして「難しそう…」と感じる社長様でも明日から始められるヒントを、「これは知らないとマズいぞ!」という視点でお伝えしていきます。

そもそも「デザイン経営」って何? – “見た目”だけの話じゃありません

まず、「デザイン経営」に対するよくある誤解を解くところから始めましょう。

多くの方が「デザイン」と聞くと、ロゴマークの色や形、パンフレットのレイアウト、ウェブサイトのビジュアルといった、いわゆる「見た目の装飾」を思い浮かべるかもしれません。もちろん、それらもデザインの重要な一部ですが、「デザイン経営」が指す「デザイン」は、それよりもはるかに広範で、本質的な意味を持っています。

「デザイン経営」とは、企業が持つ独自の「価値」や「理念(あり方、大切にしていること)」を、顧客、社員、取引先、地域社会といった全てのステークホルダー(関わる人々)に対し、あらゆる接点(製品、サービス、コミュニケーション、働く環境など)で効果的かつ魅力的に「伝え」、それによって深い「共感」を生み出し、最終的に企業のブランド価値向上やイノベーション創出、そして持続的な事業成長に繋げていく経営手法です。

つまり、「企業の想いを、相手に伝わるように、魅力的に設計(デザイン)し、行動し続けること」と言い換えることができます。菊池さんのように「誠実さ」や「顧客への寄り添い」を大切にされている企業であれば、その素晴らしい価値観を、どうすればもっと効果的に内外に伝え、共感を呼ぶことができるのか、その「伝え方」こそが「デザイン経営」の鍵となるのです。

ここで言う「デザイン」とは、色や形といった表層的な美しさ(狭義のデザイン)だけでなく、

  • 顧客が製品やサービスを通じてどのような体験をするのか(顧客体験デザイン
  • どのような仕組みで価値を提供するのか(サービスデザイン
  • どのようなビジネスモデルで収益を上げるのか(ビジネスモデルデザイン
  • 社員が働きがいを感じ、一丸となれる組織文化をどう作るか(組織デザイン
  • 企業の想いや価値を、どのようにメッセージとして発信していくか(コミュニケーションデザイン

など、企業活動全体における「目的を達成するための、あらゆる設計思想とその実践」を指します。企業の「想い(理念)」と「行動(事業活動)」に一貫性を持たせ、それを顧客や社会にとって魅力的な「体験」として届け、良好な関係性を築いていくための全ての計画と実行が「デザイン」なのです。

特に、中小企業にとって、その優れた技術力や提供価値を、専門家でないお客様にも「分かりやすく」、そして「信頼感を持って」伝える「デザイン」の力は、数ある競合他社との間で明確な差別化を図り、選ばれる存在になるために極めて重要になります。

「デザイン経営」が中小企業にもたらす【3つの突破口】

では、具体的に「デザイン経営」を意識し、実践することで、
私たち中小企業にはどのような「突破口」が開けるのでしょうか? 

社長の皆様が特に直面しやすいであろう課題と結びつけて、3つの具体的な効果をご紹介します。

突破口1:「採用力」の劇的アップ – “選ばれる会社”になるためのデザイン

  • 現状の課題
    多くの中小企業が、「優秀な人材の採用が年々難しくなっている」「せっかく採用しても、なかなか定着してくれない」「自社の本当の魅力が、求職者にうまく伝えられていない」といった悩みを抱えています。特に若い世代は、給与や待遇だけでなく、企業の理念や社会貢献への意識、働きがい、そして会社の「見た目」や発信されるメッセージのセンスといった要素を重視する傾向が強まっています。
  • デザイン経営による効果と具体例
    • 企業の「あり方」が伝わる発信
      自社のミッション、ビジョン、大切にしている価値観(MVV)を明確にし、それをウェブサイトの採用ページや会社説明資料、SNSでの情報発信を通じて、求職者の心に響く言葉とデザインで一貫して伝えます。「この会社は何を目指していて、何を大切にしているのか」が明確に伝わることで、価値観に共感する人材からの応募が増えます。
    • 社員が誇りを持てる環境づくり
      洗練されたデザインのオフィス、使いやすくデザイン性の高い社内ツール、統一感のある名刺や営業資料などは、社員が自社に対して誇りを持ち、帰属意識を高めることに繋がります。「こんな素敵な会社で働いているんだ」という自負が、日々のモチベーションにも影響します。
    • 魅力的な企業ブランドイメージの構築
      「この会社で自分のスキルを活かしてみたい」「この仲間たちと一緒に成長したい」と、求職者に直感的に思わせるような、魅力的で信頼感のある企業ブランドイメージを、あらゆる接点でデザインを通じて構築していきます。
  • 結果として…
    応募者数の増加はもちろん、企業の価値観に共感した人材が集まることで、採用のミスマッチが軽減され、入社後の活躍や社員の定着率向上にも繋がります。

突破口2:「社員のモチベーションと一体感」の向上 – “誇り”を醸成するデザイン

  • 現状の課題
    社員が自社の強みや将来の方向性、大切にしている価値観を十分に理解し、共感できていないと、日々の業務へのモチベーションを高く維持することが難しく、組織としての一体感も生まれにくいものです。「社長は何を考えているんだろう?」「自分の仕事が会社にどう貢献しているのか分からない」といった状態では、社員の能力を最大限に引き出すことはできません。
  • デザイン経営による効果と具体例
    • 理念の視覚化と日常的な接触
       例えば、社員と共に策定したMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を、単に言葉として掲げるだけでなく、スタイリッシュなロゴや、社内に飾るポスター、社員が常に携帯するクレドカード(行動指針を記したカード)といった形にデザインし、日常的に目に触れることで、理念の理解と浸透を促します。
    • コミュニケーションを活性化する社内ツール
      社内報やイントラネットのデザインを工夫し、見やすく、参加しやすいものにすることで、部署間の情報共有を促進し、社員同士のコミュニケーションを活性化させます。
    • プロ意識と帰属意識の向上
      統一されたデザインの営業ツール(名刺、提案資料など)や、もしあればユニフォームなどは、社員のプロフェッショナル意識と、「自分はこの会社の一員だ」という帰属意識を高めます。
  • 結果として…
    社員が自社の事業やブランドに誇りを持ち、「自分たちの会社は、こんなに素晴らしい価値を提供しているんだ!」と主体的に考え、行動するようになります。組織全体に一体感が醸成され、コミュニケーションが円滑になることで、生産性の向上にも大きく貢献します。

突破口3:「顧客からの信頼度」と「選ばれる理由」の確立
“伝わる”デザインが生む競争優位性

  • 現状の課題
    どれだけ高い技術力や誠実なサービスを提供していても、それがお客様に効果的に、そして魅力的に伝わらなければ、残念ながら「見せ方」で勝る競合他社に埋もれてしまい、新規案件の獲得に苦戦したり、不本意な価格競争に巻き込まれたりしがちです。「ウチの良さ、どうしたらもっと分かってもらえるんだろう…」という悩みは尽きません。
  • デザイン経営による効果と具体例
    • 「伝わる」コミュニケーションツールの作成
      お客様の課題に真摯に寄り添い、その解決策を論理的かつ分かりやすく提示する提案資料やサービス紹介資料のデザイン。専門的な内容も、図やイラストを効果的に使い、直感的に理解できるように工夫します。
    • 信頼感を醸成する「顔」づくり
      専門性、技術力、そして何よりも企業としての「誠実さ」や「信頼感」が、ウェブサイトや会社案内、名刺といったあらゆる顧客接点から視覚的に伝わるようにデザインします。
    • 独自の「選ばれる理由」の創出
      競合他社との明確な「違い」や、自社ならではの「独自の強み(USP:Unique Selling Proposition)」を、デザインの力で際立たせます。「色々見たけど、やっぱりこの会社にお願いしたい」とお客様に感じてもらえる、明確な「選ばれる理由」を創出します。
  • 結果として…
    お客様からの信頼度が向上し、提案の説得力が増すことで、案件の成約率アップや顧客単価の向上が期待できます。また、満足したお客様からのリピートオーダーや、良い口コミによる紹介が増えるなど、安定的な事業成長に繋がります。

「デザイン経営」、難しく考えないで!
中小企業だからこその始め方と強み

「デザイン経営なんて、なんだか難しそうだし、アップルやグーグルのような大企業とか、特別なセンスのある会社がやるものでしょう?」

もしかしたら、そう思われた社長様もいらっしゃるかもしれません。しかし、決してそんなことはありません。
むしろ、中小企業だからこそ活かせる強みがあり、今日からでも始められる「デザイン経営」の第一歩があるのです。

  • 中小企業ならではの強みを活かす
    • 経営者の想いの強さと浸透の速さ
      社長の「こんな会社にしたいんだ!」「お客様にこんな価値を届けたいんだ!」という熱い想いが、社員一人ひとりにダイレクトに伝わりやすく、共感を呼びやすいのが中小企業の強みです。この「想い」こそが、デザイン経営の原動力となります。
    • 意思決定のスピードと柔軟性
      大企業に比べて組織構造がシンプルなため、新しい取り組みや方針転換に対する意思決定が迅速に行え、小回りが利きます。まずは試してみて、改善していく、という柔軟な進め方が可能です。
    • 顧客との近さ
      社長自らがお客様と直接対話する機会も多く、顧客の生の声を直接聞き、それをデザインやサービス、経営戦略にスピーディーに反映させやすい環境にあります。
  • 今日からできる「デザイン経営」の第一歩(具体例)
    • まずは社員と「現状の“見え方”」について話し合ってみる
      「うちの会社って、お客さんから見て、どんなイメージだと思う?」「ウェブサイトや資料、もっとこうしたら良くなるんじゃないかな?」と、まずは社員とざっくばらんに意見交換をしてみましょう。意外な課題や改善のヒントが見つかるかもしれません。
    • お客様から最もよく見られるツールを客観的に見直してみる
      自社のウェブサイト、名刺、よく使う提案資料などを、一度「初めて見るお客様」の視点に立って、客観的に見直してみましょう。「伝えたいことが、ちゃんと伝わるデザインになっているか?」「古臭い印象を与えていないか?」「信頼感を感じられるか?」など、チェックポイントを決めて見てみると良いでしょう。
    • 社員と一緒に「自社の本当の強み」を掘り下げるワークショップを実施してみる
      「私たちの会社が、お客様や社会から本当に必要とされている理由は何だろう?」「他社にはない、私たちならではの“お宝”は何だろう?」といったテーマで、社員参加型のワークショップを実施してみるのも非常に効果的です。(以前のブログ記事「『ウチの強みって、結局何だろう…』を卒業! 社員と“お宝”を掘り起こす、『共感型ブランドの源泉発見ワークショップ』実践マニュアル」も、ぜひ参考にしてみてください。)
    • 信頼できるデザインの専門家に、一度相談してみる
      「何から手をつければ良いか分からない」「客観的なアドバイスが欲しい」という場合は、デザイン経営に関する知見や実績を持つ、信頼できる外部の専門家(私たち株式会社DIANTのようなデザイン会社)に、一度気軽に相談してみるのも良いでしょう。新たな視点や具体的な進め方が見えてくるはずです。

“見え方”が変われば、会社の未来が変わる
「デザイン経営」で成長の突破口を!

「デザイン経営」は、決して一部の特別な企業だけのものではありません。
それは、企業の規模に関わらず、自社の「あり方」そのものを見つめ直し、その本質的な価値を最大化して、社内外のあらゆる人々に効果的かつ魅力的に「伝える」ための、強力な経営戦略です。

本記事でご紹介した、「採用力」「社員のモチベーションと一体感」、そして「顧客からの信頼度と選ばれる理由の確立」という3つの突破口は、企業の持続的な成長にとって、どれも欠かすことのできない重要な要素です。

そして、特に私たち中小企業こそ、経営者の熱いリーダーシップと、社員一人ひとりの力を結集し、この「デザイン」の力を経営の隅々にまで取り入れることで、大企業には真似のできない独自の価値を生み出し、大きな飛躍を遂げる可能性を秘めているのです。

「難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は中小企業だからこそ活かせる強みもあるんです」という言葉の通り、今回の記事が、貴社にとって「デザイン経営」への第一歩を踏み出すきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。

そして、実際に「デザイン経営」に取り組む中小企業の事例なども、また別の機会にご紹介できればと考えています。

私たち株式会社DIANTも、多くの中小企業の皆様が、この「デザイン経営」を実践し、その素晴らしい価値を社会に広げていくためのお手伝いをしたいと心から願っています。

貴社の「見え方」に関するお悩み、成長戦略に関するご相談、あるいは「デザイン経営って、うちの会社でも本当にできるの?」といった素朴な疑問でも構いません。
ぜひ、お気軽にお声がけください。共に、未来への突破口を見つけ出しましょう。

ブランディングデザインにご興味がございましたら、ぜひ以下のリンクもご確認ください。

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