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『いい会社』なだけでは生き残れない時代。採用と集客の課題を同時に解決する『会社の軸』の作り方

この記事の目次

「いい会社」なのに、なぜ成長の壁にぶつかるのか?

「お客様には誠実に向き合い、常に品質の高いサービスを提供している。私たちは、胸を張って『いい会社』だと言える」。

 日々、事業に真摯に取り組む多くの中小企業の経営者様が、そう自負されていることでしょう。
しかし、その自信とは裏腹に、 「なぜか、うちの価値観に合う優秀な人材が集まらない…」 「新規顧客の獲得に苦戦し、会社の成長が頭打ちになっている…」 そんな、目に見えない高い成長の壁を感じてはいませんか?

前回の記事では、会社の「見せ方」がビジネスに与える影響について触れました。実は、その課題は単なるデザインや印象の問題に留まりません。
「見せ方」の弱さは、その根底にある「採用難」や「集客不振」「組織の一体感不足」といった、より根深い経営課題に直結しているのです。

本記事では、これらの複雑に絡み合った課題を根本から、そして同時に解決するための鍵となる『会社の軸』という考え方と、その具体的な作り方を、3つのステップで分かりやすく解説していきます。

なぜ、「採用」と「集客」の悩みは、同時に発生するのか?

一見すると、「採用」と「集客」は全く別の問題のように思えるかもしれません。
しかし、その悩みが同時に発生しているのだとしたら、それは偶然ではありません。なぜなら、二つの問題は、全く同じ一つの“根っこ”から生えているからです。

その根っことなっている問題とは、「私たちは一体何者で、あなたにとってどんな特別な価値があるのか」という、会社の存在意義そのものに対する問いに、明確な言葉で答えられていない、という問題です。

求職者から見た場合

会社の「軸」が曖昧だと、求職者はその会社の本質を理解することができません。「この会社で働くことで、どんな未来が描けるのだろうか」「どんな価値観を大切にしている仲間たちと働くことになるのだろうか」。そうした、働く上でのやりがいや誇りの源泉となる部分がイメージできないのです。

結果として、求職者は給与や勤務地、福利厚生といった、比較しやすい「条件面」だけで会社を判断せざるを得なくなります。そうなれば、体力のある大手や、より良い条件を提示する企業に、本当に価値観の合う優秀な人材が流れていってしまうのも、無理はありません。

顧客から見た場合

会社の「軸」が曖昧だと、今度は顧客が、貴社を選ぶ理由を見つけられません。「競合他社と、一体何が違うのだろうか」「なぜ、少し高くてもこの会社から買うべきなのだろうか」。その問いに、貴社が明確な答えを示せていないのです。

結果として、顧客もまた、製品の機能や価格といった、比較しやすい「条件面」でしか判断ができなくなります。
貴社が持つ、目には見えないけれど価値のある「誠実さ」や「技術へのこだわり」といった部分は認めてもらえずに、厳しい価格競争の渦に巻き込まれてしまうのです。

つまり、「採用」も「集客」も、相手に「選ばれる理由」を明確に伝えられていないという点で、全く同じ構造の問題なのです。

解決の鍵はブランディング ― それは「経営戦略」そのものである

この根深い問題を解決する鍵こそが「ブランディング」です。

しかし、「ブランディング」と聞くと、多くの方が「ロゴをお洒落にすること」「広告をたくさん打って知名度を上げること」といった、表面的なマーケティング活動をイメージするかもしれません。しかし、それはブランディングのほんの一部、言わば枝葉の部分に過ぎません。

私たちが考えるブランディングとは、
『自社は何者で、どこへ向かうのか』という『会社の軸』を明確に定義し、その軸に沿って、採用、営業、商品開発、組織づくりといった全ての企業活動を一貫させる、極めて論理的な経営戦略」そのものです。

この「会社の軸」が定まることで、企業活動の全てに一本の、力強い筋が通ります。ウェブサイトで語る言葉と、営業担当者が語る言葉にブレがなくなり、社員一人ひとりの行動にも統一感が生まれます。この圧倒的な「一貫性」こそが、社内外からの「信頼」と「共感」を育み、採用や集客といった個別の課題を、根本から解決していく力となるのです。

実践!『会社の軸』の作り方 3つのステップ

では、その企業の羅針盤とも言える重要な「会社の軸」は、一体どのように作ればよいのでしょうか。
ここでは、私たち株式会社DIANTの伴走型ブランディング策定サービス『Tsumugi』でも実際に核としている、本質的な3つのステップをご紹介します。

ステップ1:自社の「存在意義(MI - 想いの糸)」を掘り起こす

最初のステップは、全ての土台となる、会社の「魂」を見つけ出し、言語化することです。
そのためには、自分たちの内側を深く、そして誠実に掘り下げていく必要があります。

  • 問いかけること
    • 「なぜ、私たちはこの事業を始めたのか? 創業時の、あの熱い想いは何だっただろうか?」
    • 「この仕事を通じて、私たちは社会やお客様に、どんな独自の価値を提供したいのだろうか?」
    • 「もし明日、私たちの会社がこの世からなくなってしまったら、一体誰が、どんなことで一番困るだろうか?」
  • 目的:利益を上げ、会社を存続させる、そのさらに先にある、企業の根本的な存在理由(ミッション)を、誰もが共感できる「生きた言葉」として紡ぎ出します。これこそが、企業の全ての活動の源泉となる「想いの糸(MI – Mind Identity)」です。

ステップ2:「理想の未来(ビジョン)」と「独自の価値観(バリュー)」を言語化する

会社の魂が見えてきたら、次はその魂が向かうべき未来と、その旅路で大切にすべきことを定めます。

  • 問いかけること
    • 「5年後、10年後、私たちの会社は社会の中でどんな存在になっていたいか? その時、社員はどんな顔で働いているだろうか?」
    • 「その理想の未来を実現するために、私たちがどんなに苦しくても絶対に譲れない“こだわり”や、大切にすべき“行動”とは何だろうか?」
  • 目的:組織が進むべき明確な目的地である「理想の未来像(ビジョン)」と、そこへ至るための日々の判断基準となる「独自の価値観・行動指針(バリュー)」を定めます。  これにより、社員は日々の業務に意味を見出し、組織としての一体感が生まれます。

ステップ3:“軸”を「伝わるカタチ(VI, DI, BIなど)」に変換する

会社の魂と、目指すべき未来が言葉になったら、最後のステップは、それを社内外の人々に「伝わるカタチ」に変換していく作業です。

  • 問いかけること
    • 「ステップ1、2で定義した私たちの“軸”を、お客様や求職者に最も効果的に伝えるためには、どんな『言葉(メッセージ)』で語り、どんな『デザイン(見た目)』で見せ、そしてどんな『行動』で示すべきだろうか?」
  • 目的:定義した理念やビジョンを、具体的なコミュニケーション戦略やデザインコンセプト、そして社員の行動指針へと落とし込み、社内外に一貫して伝わる仕組みを構築します。ロゴやウェブサイトの「顔立ち(VI – Visual Identity)」、メッセージの「届け方(DI – Delivery Identity)」、そして社員の「行動(BI – Behavior Identity)」まで、全てがこの“軸”からブレないように設計していきます。

“軸”が定まれば、採用も集客も、自ずと好転する

「採用」と「集客」。これまで、個別に対処するしかないと思われていたこれらの経営課題は、実は別々の問題ではありませんでした。

企業の根幹となる『会社の軸』を定めることこそが、両方の課題を同時に、そして根本から解決する、最も効果的で、かつ持続可能な一手なのです。

誠実で、素晴らしい価値を持つ「いい会社」である貴社に、もし今足りないものがあるとすれば、それはその素晴らしい価値を、自信を持って社内外に力強く示す「軸」だけなのかもしれません。

もし、この記事を読んで「自社の軸を、今こそ本気で見つめ直したい」「専門家と伴走しながら、論理的に会社の未来戦略を構築したい」と感じていただけたなら、ぜひ一度、私たち株式会社DIANTにご相談ください。

私たちの伴走型ブランディングサービス『Tsumugi』は、まさに中小企業の経営者様と共に、この「会社の軸」を定義し、未来への確かな成長戦略を描くためのサービスです。貴社の内に眠る輝きを、共に見つけ出しましょう。

ブランディングデザインにご興味がございましたら、ぜひ以下のリンクもご確認ください。

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