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『デザイン経営』って、うちみたいな中小企業にも関係あるの? 経営者が抱く素朴なギモンに専門家が本音で答えます!

この記事の目次

「最近よく耳にするようになった『デザイン経営』なんだかカッコいい響きだけど、結局のところ何なのか、正直よく分からないんだよな…」 「うちみたいな中小企業の会社には、ちょっと縁遠い、大企業向けの話なんじゃないかな?」

日々、お客様のために誠実に技術やサービスを提供し、会社の未来を真剣に考えていらっしゃる社長様ほど、次々と現れる新しい経営トレンドや流行り言葉に安易に飛びつくことなく、その本質をしっかりと見極めたいとお考えのことでしょう。

この記事では、そんな中小企業の経営者の皆様が「デザイン経営」に関して抱いているであろう、素朴なギモンや率直な「ここはどうなの?」という疑問に対し、私たちデザインやブランディングの専門家が、【本音で、そして具体的に】一問一答形式でお答えしていきます。

難しい専門用語を並べたり、一方的な主張をしたりするつもりは毛頭ありません。
貴社にとって本当に「関係があるのか?」「どう役立つのか?」そして「もし取り組むとしたら、何から始めればいいのか?」その本質を、一緒に考えていく時間になれば幸いです。この記事を読み終える頃には、「なるほど、そういうことか!」と、少しでもスッキリしていただけることを目指します。

中小企業経営者のための「デザイン経営」Q&A
専門家が本音で答えます!

A:はい、もちろんです! まずお伝えしたいのは、「デザイン経営」は単に“見た目を良くすること”だけではない、ということです。

「デザイン」と聞くと、どうしてもロゴやウェブサイトのビジュアルを指すと思われがちですが、「デザイン経営」における「デザイン」はもっと広い意味を持ちます。

それは、企業が大切にしている「あり方(理念・価値観・独自の強み)」を深く理解し、それを顧客、社員、社会といったあらゆる関係者に対して、提供する製品・サービス、日々のコミュニケーション、働く環境、組織文化など、全ての接点において、一貫性を持って効果的かつ魅力的に「伝える」ための一連の経営戦略であり、そのための設計思想です。
難しく聞こえるかもしれませんが、要は「会社の想いや提供価値を、相手にちゃんと伝わるように、あらゆる活動を設計し、実行し続けること」と言えます。

中小企業で取り組める具体例としては、例えば以下のようなことがあります。

  • 顧客に提供する技術やソリューションの「価値」を、誰にでも分かりやすく伝えるための提案資料やウェブサイトの設計・デザイン
    専門的な内容も、図やイラスト、平易な言葉で「翻訳」し、顧客が「なるほど、これは自社に必要だ!」と直感的に理解できるようにします。
  • 企業の「誠実さ」や「技術力の高さ」が視覚的に伝わるロゴ、名刺、会社案内の作成
    これらは会社の「顔」です。細部まで配慮されたデザインは、言葉以上に信頼感を伝えます。
  • 社員が自社のミッションやビジョンに心から共感し、日々の仕事に誇りと働きがいを感じられるような企業理念の策定と、それを体現するオフィス環境づくり
    例えば、内装業社と連携して、コミュニケーションが活性化するオフィス空間をデザインすることも、立派な「デザイン経営」の一環です。
  • お客様との「顔の見える関係」をより強固にするためのコミュニケーションツールのデザイン
    定期的なニュースレターや、感謝を伝えるノベルティグッズなども、デザイン次第で顧客との絆を深める力になります。

このように、企業の「あり方」を起点に、顧客や社員とのあらゆる接点を見直し、より良く「設計(デザイン)」していくこと。それが中小企業にもできる「デザイン経営」の第一歩です。

A:そのお気持ち、非常によく分かります。特に中小企業にとって、投資の判断は慎重になりますよね。結論から申しますと、デザインへの投資は短期的な「コスト」として捉えるのではなく、将来の成長や課題解決に繋がる「未来への投資」として考えることが重要です。

もちろん、すぐに数値で測れる効果ばかりではありませんが、デザイン経営に取り組むことで期待できる効果は多岐にわたります。

  • 短期的に期待できる効果の例:
    • ウェブサイトや提案資料のデザインを改善することで、問い合わせ数が増加したり、商談の成約率が向上したりする。
    • 魅力的な採用ページや会社案内を作成することで、求人への応募者数が増加する。
  • 長期的に期待できる効果の例:
    • 一貫したブランドイメージが浸透することで、顧客からの信頼度が高まり、長期的な取引(顧客ロイヤルティ)に繋がる。
    • 企業の魅力が正しく伝わることで、採用のミスマッチが減り、社員の定着率が向上し、結果として採用・教育コストが削減される。
    • 独自の強みや価値が明確に伝わることで、不本意な価格競争から脱却し、適正な価格でサービスを提供できるようになる。
    • 社員が自社に誇りを持ち、モチベーション高く働くことで、生産性の向上やイノベーションの創出に繋がる。

「でも、やっぱり最初から大きな費用はかけられない…」という社長様も多いと思います。ご安心ください。
デザイン経営は、全てを一度に大掛かりに実施する必要はありません。

むしろ、最も課題を感じている部分、例えば「見せ方」に課題を感じているのであれば、まずは名刺や提案資料のデザイン統一から着手する、といった「スモールスタート」を推奨します。そして、その効果を検証しながら、段階的に他の領域にも広げていくというアプローチが、中小企業にとっては現実的かつ効果的です。

費用対効果の測り方についても、例えば「ウェブサイトリニューアル後の問い合わせ数の変化」「顧客アンケートでのブランドイメージ(信頼性、専門性など)の評価の変化」「採用応募者数や内定承諾率の変化」などを、施策の前後で比較することで、一定の目安を知ることができます。

A:全く問題ありません! 経営者様や社員の皆様に求められるのは、デザインを実際に作る専門スキルではなく、「自社は何を大切にし、お客様にどう貢献したいのか」という熱い「想い」と、それを常に「お客様の視点」で考える姿勢です。

むしろ、最初から「どうデザインするか」という手法論に入るのではなく、「何を伝えたいか」「誰に伝えたいか」という本質的な部分を突き詰めることが、デザイン経営の最も重要な土台となります。

では、何から始めたら良いのか?具体的な最初のステップとしては、以下のようなものが考えられます。

  1. まずは現状把握から:
    難しく考えず、社員の皆さんと一緒に、自社の「強み」や「弱み」、「お客様から普段どんな風に言われているか(見られているか)」などを、ざっくばらんに話し合う社内ワークショップを開催してみてはいかがでしょうか。(以前のブログ記事「『ウチの強みって、結局何だろう…』を卒業! 社員と“お宝”を掘り起こす、『共感型ブランドの源泉発見ワークショップ』実践マニュアル」も、きっとお役に立てると思います。)
  2. お客様の声を直接聞いてみる:
    普段からお付き合いのあるお客様や、信頼できる取引先に、自社のイメージや改善点について、正直な意見を聞いてみるのも非常に有益です。
  3. 信頼できる外部の専門家に相談してみる:
    「何から手をつければ…」「客観的なアドバイスが欲しい」という場合は、私たち株式会社DIANTのような、デザイン経営に関する知見を持つ外部の専門家に相談し、現状分析や課題整理を手伝ってもらうのも有効な手段です。

デザインを実際に形にする実行フェーズでは、もちろん専門家の力が必要になります。しかしその際も、業者に「丸投げ」するのではなく、企業の「想い」や「目指す姿」を専門家としっかりと共有し、対話を重ねながら、共に創り上げていく「協働プロセス」が非常に重要です。これは、協調性やプロセスを重視される経営者様には、きっとフィットする進め方だと思います。

A:はい、大いに効果が期待できます。現代の採用市場、企業の「働く場としての魅力」をいかに効果的に発信できるかが、採用競争力を大きく左右します。「デザイン経営」は、その魅力づくりと発信において、非常に強力な武器となるのです。

具体的には、以下のような効果が考えられます。

  • 企業の「本質的な魅力」が伝わる採用コミュニケーション
     給与や待遇といった条件面だけでなく、企業の理念やビジョン、独自の社風、仕事のやりがい、社会への貢献といった「目に見えない価値」を、採用サイトや会社紹介動画、説明会資料などを通じて、デザインの力で魅力的かつ具体的に伝えることができます。「この会社で働きたい」「この会社の仲間と一緒に成長したい」と、求職者の心を動かすのです。


  • 「ここで働きたい」と思わせる環境のデザイン
    物理的なオフィス空間のデザイン(例:コミュニケーションが生まれやすいレイアウト、リラックスできる休憩スペース)や、働きがいを高める制度(例:柔軟な働き方、キャリアアップ支援)、さらには社員同士の良好な関係性といった「働く環境全体」を魅力的にデザインし、それを効果的に発信することで、求職者の入社意欲を高めます。


  • 社員が自社の「語り部」となる文化の醸成
    社員が自社に誇りを持ち、その魅力を自分の言葉で語れるようになると、リファラル採用(社員紹介による採用)にも繋がりやすくなります。社員自身が「うちの会社、いいよ!」と自信を持って言える状況をデザインすることが重要です。

結果として、単に応募者が増えるだけでなく、貴社が本当に求める人物像にマッチした、価値観に共感する人材からの応募が増え、入社後のミスマッチを防ぎ、社員の定着率向上にも繋がる可能性が高まります。

A:もちろんです!むしろ、そうした目に見えない「本質的な価値」を、お客様や社会に対して、分かりやすく、そして魅力的に「見える化」し、効果的に伝えることこそが、「デザイン経営」の真骨頂であると私たちは考えています。

言葉だけで「私たちは誠実です」「高い技術力があります」と主張しても、なかなか相手の心には響きません。
大切なのは、その「あり方」と「伝え方」に一貫性を持たせることです。

  • 「誠実さ」の伝え方
     例えば、お客様の声に真摯に耳を傾ける姿勢を反映したウェブサイトのコンテンツ作り(お客様事例の丁寧な紹介など)、専門用語を避け分かりやすさを追求した提案資料、一貫性のある丁寧なデザインで作成されたコミュニケーションツール(名刺、会社案内など)の全てが、貴社の「誠実さ」を雄弁に物語ります。
  • 「技術力」の伝え方
    複雑な技術やソリューションがもたらすお客様へのメリットを、専門家でなくても直感的に理解できるように、図やインフォグラフィック、動画などを用いて分かりやすく表現する。お客様が実際に成果を上げた導入事例を、単なる機能説明ではなく、課題解決のストーリーとして魅力的に紹介する。これらもデザインの力です。

大切なのは、企業の「あり方(大切にしている価値観や強み)」と、それを表現する「伝え方(デザイン)」に、嘘やズレがないこと。 その一貫性こそが、お客様からの深い信頼に繋がるのです。

中小企業が「デザイン経営」で未来を拓くための秘訣

ここまでQ&A形式で「デザイン経営」についてお答えしてきましたが、最後に、中小企業が実際に「デザイン経営」に取り組み、未来を拓いていくための秘訣をいくつかご紹介します。

  • 社長の「本気度」と、社員を導くリーダーシップ
    何よりもまず、社長自身が「デザイン経営の重要性を理解し、本気で取り組むぞ!」という強いコミットメントを持つことが不可欠です。ただし、トップダウンで一方的に指示を出すのではなく、社員の意見に真摯に耳を傾け、共に考え、共に創り上げていくという「共感型」のリーダーシップが、中小企業においては特に効果的です。
  • 社員を「巻き込む」楽しいプロセス
    「デザイン経営」は、経営層や一部の担当者だけで進めるものではありません。社員一人ひとりが自社の価値を再発見し、それに共感し、日々の業務の中で自然と体現できるようになることが理想です。ワークショップなどを通じて、社員が「自分たちの会社を、自分たちの手で良くしていくんだ!」という当事者意識とワクワク感を持てるような、楽しいプロセスを設計しましょう。
  • 常に「お客様の視点」を忘れない徹底力
    どんなに素晴らしい理念やデザインも、それが独りよがりなものであっては意味がありません。常に「お客様にとって、本当に価値があるものは何だろうか?」「お客様は、私たちのことをどう見ているのだろうか?」と問い続け、その答えをデザインのあらゆる側面に反映させていく徹底力が求められます。
  • 「できることから始める」勇気と「諦めずに継続する」覚悟
     最初から完璧を目指す必要はありません。「まずは名刺のデザインから見直してみよう」「ウェブサイトのこの部分だけ改善してみよう」といったスモールスタートで構いません。大切なのは、小さな成功体験を積み重ねながら、効果を検証し、粘り強く改善を続けていく「継続する覚悟」です。
  • 信頼できる「外部パートナー」との賢い連携
    自社にない専門知識や客観的な視点は、無理に内製化しようとせず、積極的に外部の専門家(私たち株式会社DIANTのようなデザイン会社やコンサルタント)の力を借りて補うことも、賢明な判断です。良きパートナーは、貴社の想いを深く理解し、共に未来をデザインしてくれます。

「デザイン経営」は、中小企業の未来を照らす羅針盤です

「デザイン経営」と聞くと、まだどこか遠い世界の話のように感じる社長様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この記事でお伝えしてきたように、それは決して大企業だけのものではありません。

むしろ、社長の熱い想いが社員にダイレクトに届きやすく、小回りが利き、お客様との距離も近い中小企業こそ、この「デザイン経営」の力を最大限に発揮し、自社ならではの「らしさ」を磨き上げ、厳しい競争環境の中でも確固たる地位を築き、持続的な成長を実現できる大きな可能性を秘めているのです。

難しく考える必要はありません。創業時に抱いた熱い想いや、社員の皆さんが日々大切にしている仕事へのこだわり。
それらを、どうすればもっと効果的に、もっと魅力的に、そしてもっと多くの人に「伝える」ことができるだろうか? その誠実な探求こそが、「デザイン経営」の輝かしい第一歩となるのです。

今回のQ&Aを通じて、「デザイン経営」に対する疑問や不安が少しでも解消され、「なるほど、うちの会社でも何かできるかもしれないな」と感じていただけたなら、これほど嬉しいことはありません。

私たち株式会社DIANTでは、中小企業の皆様が抱える「デザイン経営」に関する様々な疑問やお悩みに対し、いつでも「本音で」お答えし、その最初の一歩から、具体的な形になるまで、信頼できる伴走者としてサポートさせていただきます。まずは、貴社の想いやお悩み、お気軽にご相談ください。

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